日本企業の中でも最大の巨人。通信に関する大きなインフラをすべて押さえているという企業の存在理由とはなんだろう。それを2つ,3つに分けたところでその存在理由ははっきりするのだろうか。そう,僕らはワイヤードに接続するたびに,そのレゾンデートルと向き合わせされている。
7月1日,NTTは,持ち株会社のNTTと,市内通話のNTT東日本・NTT西日本,長距離・国際電話のNTTコミュニケーションズの4社に再編成された。それに合わせて1万円程度の完全定額料金でのIP接続サービス,市内定額割引サービス,学校用インターネット割引サービス,ADSLを使った定額料金サービスの導入などが発表された。注目される定額のIP接続サービスは今年の後半に試験を開始し,利用動向を見て対象地域を拡大する見込み。それらによりISDNの料金制度も新しくなり,インターネット接続に関して若干の進展が見られそうだ。
日本の通信環境が悪いのは,ほぼぜ〜んぶNTTのせいである,とまぁ言い切っても間違いはないだろう。特にインターネット接続に関しては最低で,こんな環境の日本でよくここまでインターネットが発展したと思いたくなる。課金料金制でインターネットは生活に入ってこない。といって定額制は夜の11時から朝までなんて,まっとうな利用者をなめてるんじゃないかねぇ。まぁ決してNTTの料金は外国に比べて安くないなんて云ってるんだから,基本的な認識が違うんだろうが…。
NTTはどう考えても日本企業の中の巨人だった。結局,東京電話もDDIもNTTの手のひらの上から抜け出せずにいるのを感じる。その構造は,これからもあまり変わらないだろう。無線インターネット接続やCATVインターネットなども普及するだろう。それらが爆発的に普及するかどうかもNTT次第。果たして巨人の考えは変わるのか,巨人はしなくてはいけないことちゃんとしてくれるのか,それによって日本のワイヤードの今後も決まってくる。
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